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Mandolin Family(マンドリン属)
Steve Gilchrist Mandocello  
Steve Gilchrist Mandocello Steve Gilchristという名前を知ったのは、マンドリン奏者のDavid Grismanの“Tone Poem”というCDによってでした。この中で使われている楽器の中で音色がいちばん気に入ったのがGilchrist氏のマンドリンでした。本来ならマンドリンをオーダーするものなのでしょうが、アイルランド音楽ではマンドリンの出番はほとんどないため(マンドセロもあまり出番はないのですが)、マンドセロの作ってもらえないかと手紙を書きました。無知というのは恐ろしいもので、Gilchrist氏は高名な製作者で、今では楽器の入手が困難(価格の点でも!)とも言われていますが、当時は幸運にも返事をいただき、製作してもらうことができました。ギブソンのK-1というマンドセロのコピーモデルで、美しいサンバースト仕上げです。アイルランド音楽では、なかなか使い方の難しい楽器ですが、その鳴動するような低音にはたまげたものです。
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Ovation Mandocello  
Ovation Mandocello 「Ovationが試作でマンドセロを作ったらしいよ」と教えてくれたのは都内在住のリュート製作者のW氏。90年代半ばのことでした。アメリカの楽器販売業者が、そのプロトタイプを2本売りに出しているというので、ほとんど衝動買いで手に入れました(その後、正式にリリースされました)。ボディ、ネックともに明らかにギターのそれをそのまま流用し、ペグを2個増やして4コース8弦にしました、という楽器で、低音が十分に出きっていないというきらいはありますが、全体的な音のバランスは悪くありません。Donal Lunnyが、バックが合成樹脂製のブズーキを使用していた時期があり、これがなかなかいい音で、このOvation Mandocelloもこれに近いのではと思ったのですが、ブズーキ代わりに使っているプレイヤーの演奏を見かけましたが、Ovation特有の音色が逆に災いしてか、ブズーキらしい雰囲気が出ていなかったのを覚えています。
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Randy Wood Octave Mandolin A-5  
Randy Wood Octave Mandolin A-5 Randy Wood氏はかつてGibsonでマンドリンを製作していた、やはり高名なマンドリン製作者です。当時、オクターブ・マンドリンを探していたところ、ネット上で見つけたのがRandy氏のA-5と呼ばれるタイプのオクターブ・マンドリンでした。f字ホールで、ボディにポイント(出っ張り)が2つ、しかも表面板がブラックに塗装されており、思わずかっこいいと叫んでしまいました。オクターブ・マンドリンという名前の通り、オクターブ音程が低いマンドリンなので、チューニングは本来4コースからGDAeなのですが、4度高いCGDaでも映えます。スプルースのアーチトップボディで、各弦の音の際立ち方がはっきりしているため、メロディを弾くのに適した楽器です。各コースを単弦にすると、テナーギターのような使い方も可能で、GibsonのTenor Luteという楽器はきっとこんな感じだったんではないかと思ったりもしました。
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Oakwood Octave Mandolin  
Oakwood Octave Mandolin イングランドのメーカーOakwoodのオクターブマンドリンです。弦長58cmでブズーキに比べ2フレットほど短くなっています。初期型とヘッドの形が異なっている点を除きブズーキと大きな違いはありません。この楽器はアイルランド・クレア近郊の村に在住のAさんのお宅にもう10年も預かっていただいていて、「置き」ブズーキ化しています。もともとフィドル奏者だったAさんは、この楽器でブズーキデビュー。今では西海岸で有名なブズーキ奏者の一人のAさんですが、彼のプレーを見た人たちからOakwood社への問い合わせが相次いだそうで、いわば広告塔の役目を果たしているとういうことでOakwood社から感謝の言葉を何度もいただきました。この楽器は、スペックはブズーキとほとんど変わりはないのですが、側面・背面板にローズウッドを使用しているため、同じOakwoodのブズーキに比べると若干硬質な音がする点が特徴です。
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Gibson H-2 Mandola  
Gibson H-2 Mandola Dervishのマンドーラ奏者Brian McDonagh氏が使っていたのがGibsonのH-1と呼ばれるタイプのマンドーラでした。マンドーラはマンドリンを一回り大きくした楽器で、バイオリンに対するビオラと同じ関係にあります。チューニングは通常はマンドリンより5度低い、CGDaにチューニングされます。オクターブ・マンドリンをアイルランドでは紛らわしいことにオクターブ・マンドーラと呼びますが、それと区別するためテナー・マンドーラと呼ばれることもあります。アイルランド音楽でマンドーラが使われるのはかなり稀で、他にはプランクシティ時代のAndy Irvine氏くらいでしょうか。Brian氏のマンドーラはOisin(オシーン)という70年代を代表するグループ時代に遡ります。マンドリンに比べボディがやや大きく、ネックがわずかに長いだけですが、中音域が豊かで、メロディーを弾くのにも、伴奏にも使えるなかなか重宝な楽器です。
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Joe Foley Mandolin  
Joe Foley Mandolin Foley氏に制作してもらった楽器としては2本目にあたります(1本目はブズーキ)。アイルランドで出会ったマンドリン奏者が弾いていたのですが、ブズーキに負けずよい音だなと思ったのを覚えています。実はフラットトップのマンドリンを見るのはこれが始めてでした。アーチトップのGibson系のマンドリンの音色も大好きなのですが、アイルランド音楽の他の楽器、フィドル、フルート、アコーディオンなどとユニゾンでメロディを奏でる場合、音の立ち上がりの早いフラットトップタイプの方が映えるなというのが感想です。もっともアイリッシュでマンドリンが使われることは思いの外少ないのですが。Foley氏のマンドリンはフィドラーのKさんがアイルランドで手にいれた楽器を弾かせてもらったことがあって、ずっといいな、と思っていた1本でした。初期のブズーキと同じで表面板はシダー、側面・背面板はウォールナットが使われています。

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